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社長を知る

社長を知る

現場経験28年を経て取締役に 手掛けた橋が後世に残るやりがいと達成感

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私は昭和50年、広島に本社を置く極東工業(現・極東興和)に入社後、大阪支店に7年、福岡支店に28年務め、48歳まで現場に行っていました。その後、福岡支店長、工事本部長などを経て、平成25年に極東工業を前身に立ち上がったビーアールホールディングスの取締役となり、平成29年6月に傘下の東日本コンクリートの代表取締役に就任しました。そういう経歴ですので、現場の実情はよく分かっているつもりです。

現場時代のおよそ3分の2は福岡支店管轄で、九州全県に現場がありました。家から通勤できたのは28年のうち2年ほどで、あとは全て単身赴任。この業界に入った限りはしょうがないと思っていましたし、結婚してからは生活を維持しなければという思いが強くあり、何よりも自分が手掛けた橋が後世に残るということに大きなやりがいを持っていました。自己満足かもしれませんが、協力会社の現場のスタッフと一緒に、皆でこの橋を造ったんだという達成感が現場ごとにありました。ただ給料のためやっていたのだったら、ここまで長く続けられなかったでしょうね。

建設業界の課題解決へ働き方改革に着手 社員が将来のビジョンを描ける仕事に

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私がそうだったように、建設業界の現場はほとんど家から通える距離にありません。当社でいえば東北を対象としていますので、青森や秋田、岩手などへの長期出張があります。独身のうちはいいのですが、結婚して家庭を持つと葛藤があるようです。われわれのときと違って、いまの若い人は子育てもしっかりやりたいという時代ですので、土日しか帰れないのは厳しいと。40代半ばにもなれば子どもも大きくなってきますので、子どもが小さい間を何とか越えてくれればいいのですが。

それでも、そういう業界なんだと言ってしまえばそこまでですし、われわれには若い人たちに対する責任もありますので、ちょっとずつでも変えていこうと、働き方改革を進めています。例えば週休2日を浸透させ、遠方の出張の場合には手当を厚くし、残業代も制限しないようにしています。ただ、考えて仕事はしてくださいと。夕方5時から張り切られても困りますからね(笑)

われわれの仕事は税金による公共事業がほとんどです。公共物を造る以上、耐久性のある、みんなに胸を張れる品質のものを造ろうという気概を持って取り組んでほしい。検査さえ通ればいいや、というような造り方では、やりがいもなくなりますよね。本当にいいものを造ろうという気があれば少々の苦労もできるし、みんなに「この橋は俺が造ったんだ」と胸を張って言うことができ、誇りにもなるはずです。

本当にこの仕事は面白いんだぞ、ということを感じてもらえるように環境を整えるのが私の最後の仕事だと思っています。せっかく入社した人が途中で辞めてしまうのは、将来のビジョンが描けないということも原因です。20代の人と40代の人が同じことをやっていては、若い人がこの先もずっと変わらないのかと希望を失ってしまう。あと10年20年頑張ればああいう立派な仕事ができるんだというのを示してあげられるように、ちょっとずつでも変えていきたいと思っています。

本当にこの仕事が好きで就きたい人に、「初心忘れるべからず」で頑張ってほしい

極東興和の時は新入社員の面接を行っていましたが、最近の学生さんは就活対策をしっかり行っているので、皆さん模範回答ができるんですよね。誰に質問してもしっかりした答えが返ってきて、就職したら日本全国どこにでも行って働きたいと前向きに言ってくれますが、いざ入社するとその通りにはいきませんよね。独身のうちはそうでも、彼女ができたり、家庭ができたりすると、やりがいよりも安定を望むようになる。私が大事にしてきたことは「初心忘れるべからず」で、最初にそういう思いを持っていたならば、言葉通り頑張ってほしいですね。

あえて言えば、本当にこの仕事が好きで、この仕事に就きたいのでなければ受けてほしくはありません。就活するにしても、ただ漠然と受けるのではなく、この業界のことも調べてから覚悟を決めて来てほしいと思います。厳しいことを言うようではありますが、誰か1人を採用するということは、それ以外の多くの人たちを落とすことになる。マニュアル通りの受け答えができる人が受かって、本当にやる気のある人が落ちる可能性があるわけです。

現場は5〜6人単位、小さい現場でも2〜3人の職人さんたちと一緒に仕事を行います。大学を出たばかりの人が、自分の親くらいの人に対して指示を出すことになります。そういう現場では、先輩へのしっかりした対応ができて、コミュニケーションが取れる能力が必要です。下請けの作業員の方に人生の先輩として敬意を示し、その上で言うべきことは言わないといけない。言い方一つ、態度一つに気を配れるようになってほしいです。

土木建築という仕事は機械化も進んでいますが、何十年と基本的なところは何も変わらず、人が人に指示して、人がやる仕事なんです。だからこそ、鉄筋屋さんなり大工さんなり、作業していただく方の人格を尊重した話し方ができるかどうか。そういうところを私は見て、試験の成績は、参考程度と考えています。ペーパーテストの結果が全てではなく、少々成績が悪くても、体育会系で元気な人の方が現場に出て伸びるケースも多いですからね。